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特集 医療スタッフが知っておきたい性的マイノリティと医療
性同一性障害/性別違和に対する外科治療
Surgical treatment for GID/GD
難波 祐三郎
1
Yuzaburo NAMBA
1
1岡山大学病院ジェンダーセンター
キーワード:
性同一性障害(GID)
,
性別違和(GD)
,
性別適合手術(SRS)
,
緩和外科
Keyword:
性同一性障害(GID)
,
性別違和(GD)
,
性別適合手術(SRS)
,
緩和外科
pp.260-263
発行日 2021年10月23日
Published Date 2021/10/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27904260
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性同一性障害(GID)/性別違和(GD)に対する性別適合手術(SRS)は,外性器を希望する性の特徴に近づける外科治療であるが,合わせて精巣や子宮・卵巣も摘出するため,その本質は生殖機能を廃絶する去勢手術である.そのため,GID/GDの診断確定とSRSの適応判定には,十二分な診察時間と非常な慎重さを要する.ただし,SRSを受けることによって本人に精神的な安定がもたらされ,社会生活への適応が良好になることは多くの患者で経験しており,筆者らが行ったアンケート調査の結果もそれを裏づけていた.現時点ではSRSを受けていることが,「性同一性障害特例法」(以下,特例法)による戸籍上の性別変更の要件のひとつにあるため,本来希望しないSRSを受けている患者が皆無とはいえない.そのような患者を除外するために,生殖機能の喪失要件は特例法から外すべきでる.ただし,特例法制定以前からSRSは行われてきており,もし生殖機能の喪失要件が外されたとしても,SRSを希望する患者が激減するとは考え難い.
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