Japanese
English
特集 近視研究の最前線
【病的近視】
病的近視の合併症
-――視神経障害(緑内障性? 近視性?)
Complication of pathologic myopia
――Optic neuropathy(glaucomatous? myopic?)
赤木 忠道
1
Tadamichi AKAGI
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野
キーワード:
緑内障性視神経症
,
近視性視神経症
,
強膜変形
,
篩状板
Keyword:
緑内障性視神経症
,
近視性視神経症
,
強膜変形
,
篩状板
pp.141-145
発行日 2021年10月9日
Published Date 2021/10/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27902141
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近視は緑内障発症の危険因子であるが,近視性の変化と緑内障性の変化は多くの共通項を含んでおり,厳密に両者を分離することは容易ではない.緑内障による視神経障害は篩状板で生じるとされ,眼圧上昇は篩状板の後方変位とともに網膜神経節細胞の軸索障害を引き起こす.一方で,緑内障を合併した強度近視眼のなかには眼球(強膜)の変形程度と視神経障害の程度が相関するような一群も存在し,眼圧下降治療によって篩状板の位置変化ではなく強膜変形の改善を認める症例も存在する.病的近視を含めた強度近視における視神経障害は篩状板以外の部位でも生じうると考えられるが,眼圧下降治療がどの程度有効かは明らかになっていない.眼圧下降治療が有効な病的近視眼を判別できれば病的近視による失明を抑制できるかもしれない.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.