特集 OCT で見る緑内障
4 OCTで見る篩状板
澤田 有
1
1国立病院機構 あきた病院眼科(由利本荘市)
キーワード:
緑内障
,
OCT
,
篩状板
Keyword:
緑内障
,
OCT
,
篩状板
pp.733-740
発行日 2021年8月5日
Published Date 2021/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緑内障は網膜神経節細胞の軸索が障害され,それに対応する部分の視野が欠損する疾患である。緑内障における軸索障害は,視神経乳頭の奥にある篩状板という組織で生じることがわかっている。緑内障眼では篩状板が変形し,その中を通過する軸索が障害される。緑内障眼における篩状板の変形については,従来,患者の献眼1)や動物眼を用いた実験的緑内障眼2)3)を利用した組織学的な研究が行われてきたが,症例の数が少なく,データは限られていた。2010年頃よりOCT(optical coherence tomography)が臨床に導入され,生体での篩状板の観察が可能になり,多くの症例を用いた研究が行われるようになった。さらに,深部強調画像(enhanced-depth imaging:EDI)法やswept source OCT(SS-OCT)によって,眼組織の深部がより鮮明に描出できるようになり4)5),緑内障眼の篩状板変化についての新しい知見が蓄積されるようになった。本稿ではOCTで観察される緑内障眼における篩状板の変化について解説する。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.