Japanese
English
特集 近視研究の最前線
【病的近視】
病的近視の後部ぶどう腫の診断と治療
The diagnosis and treatment of the posterior staphyloma in the eyes with pathologic myopia
中尾 紀子
1
,
五十嵐 多恵
1
,
大野 京子
1
Noriko NAKAO
1
,
Tae IGARASHI
1
,
Kyoko OHNO-MATSUI
1
1東京医科歯科大学眼科学教室
キーワード:
後部ぶどう腫
,
病的近視
,
超広角光干渉断層計(OCT)
,
強膜クロスリンキング
Keyword:
後部ぶどう腫
,
病的近視
,
超広角光干渉断層計(OCT)
,
強膜クロスリンキング
pp.146-150
発行日 2021年10月9日
Published Date 2021/10/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27902146
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後部ぶどう腫とは眼球後極の強膜の一部が眼球後方に突出した状態であり,病的近視を特徴づける代表的な病態である.従来,後部ぶどう腫の分類は検眼鏡での観察に基づくCurtin分類が用いられてきた.近年,3 D MRIや超広角眼底撮影(Optos®)によって,後部ぶどう腫の外周縁の形態に基づき,後部ぶどう腫を評価しようとする新しい分類方法が提唱された.一方で,超広角光干渉断層計(OCT)はより広範囲に,より詳細に後部ぶどう腫を評価することが可能である.超広角OCTで観察される後部ぶどう腫の3つの特徴は,後部ぶどう腫縁での脈絡膜菲薄化,強膜内方突出,後部ぶどう腫縁での強膜後方変位があげられる.後部ぶどう腫の治療法に関しては,現時点で臨床上有効性と安全性が確立したものはない.強膜クロスリンキング,後部強膜補強術(PSR),強膜再生治療などが新規治療法として検討されており,今後の研究成果が期待される.
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