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特集 近視研究の最前線
【病的近視】
病的近視の合併症
-――網膜分離・剝離
Macular retinoschisis and retinal detachment
浦本 賢吾
1
Kengo URAMOTO
1
1東京医科歯科大学眼科学教室
キーワード:
近視性牽引黄斑症
,
後部ぶどう腫
,
黄斑円孔網膜剝離(MHRD)
Keyword:
近視性牽引黄斑症
,
後部ぶどう腫
,
黄斑円孔網膜剝離(MHRD)
pp.136-140
発行日 2021年10月9日
Published Date 2021/10/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27902136
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近視性牽引黄斑症は,強度近視眼にみられる牽引によって引き起こされる黄斑部網膜障害の総称であり,網膜分離症は近視性牽引黄斑症の疾患概念のひとつとされている.後部ぶどう腫の強度近視患者の1~3割に網膜分離症が認められるため,網膜分離症と後部ぶどう腫は強い関連がある.網膜分離症の増悪は近視性牽引黄斑症全体の約1割程度であるが,分離の範囲が広いほど増悪する可能性が高い.全層黄斑円孔(FTMH),黄斑円孔網膜剝離(MHRD)といったより重篤な合併症病変への進行予防やその治療のために近視性牽引黄斑症に対する硝子体手術が広く施行されている.中心窩網膜厚の薄い症例では,術後新規の黄斑円孔や硝子体手術関連黄斑萎縮を予防するために中心窩の内境界膜(ILM)を残し,周囲のILMを剝離する手技fovea-sparing internal limiting membrane peeling(FSIP)が推奨される.
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