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第1土曜特集 自殺の予防と危機・救急対応――新たな局面を迎えた日本の自殺対策にどう対応するか
自殺予防研究の動向
災害精神医療の観点から
Suicide measures from the viewpoint of disaster psychiatry
太刀川 弘和
1
Hirokazu TACHIKAWA
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域災害・地域精神医学
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
自殺予防対策
,
災害精神医療
,
コロナ禍
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
自殺予防対策
,
災害精神医療
,
コロナ禍
pp.24-28
発行日 2021年10月2日
Published Date 2021/10/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2790124
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は多様なメンタルヘルス問題を引き起こし,2020年には11年ぶりに自殺者数増加に至った災害である.COVID-19は感染恐怖や経済問題,失業問題など複数のストレスをもたらしているにもかかわらず,コーピングも自粛で制限し,ソーシャルディスタンスによって他者のサポートを受けることも制限しているため,他の自然災害以上に自殺リスクを高めていると思われる.茨城県では,災害精神医療の観点から,①感染者のメンタルヘルスに関するリエゾン対応,②感染者療養施設のメンタルヘルススクリーニングと遠隔相談,③精神疾患関連の感染者の入院トリアージ,④COVID-19対応病院職員のメンタルケア支援の活動を,全県の精神科関連機関が連携する協議会を組織して実施している.コロナ禍の自殺対策としては,今後,災害精神医療の対策を基本に,自治体窓口の連携やこころのディスタンスのない積極的相談支援が必要である.
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