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特集 災害精神医学—自然災害,人為災害,感染症パンデミックとこころのケア
西日本豪雨災害の経験から
Disaster Assistance Activity in Response to the 2018 Western Japan Heavy Rain
野口 正行
1
Masayuki Noguchi
1
1岡山県精神保健福祉センター
1Okayama Prefectural Mental Health & Welfare Center, Okayama, Japan
キーワード:
西日本豪雨災害
,
Western Japan Heavy Rains
,
災害精神医療
,
disaster psychiatry
,
災害派遣精神医療チーム
,
Disaster Psychiatric Assistance Team
,
DPAT
Keyword:
西日本豪雨災害
,
Western Japan Heavy Rains
,
災害精神医療
,
disaster psychiatry
,
災害派遣精神医療チーム
,
Disaster Psychiatric Assistance Team
,
DPAT
pp.333-339
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206870
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抄録
2018年の西日本豪雨において,岡山県では倉敷市真備地区に被害が集中した。このため,岡山県ではこの地域に対する災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動を行った。具体的な支援としては,避難所における適応障害への巡回チームによる診察が多かった。支援ニーズは,避難所の保健師からの依頼が中心であった。実際のDPAT活動の調整に際しては,情報の錯綜と混乱が著しく,支援調整には苦慮した。こうした困難の要因としては,①災害対応体制の準備の不足,②活動拠点本部の設置など役割分担が十分にできなかったこと,③情報の収集,共有と指示に関する混乱,④支援機関が多く,連携体制が十分にできなかったこと,などがあった。災害に対する準備と訓練をすることで,こうした課題を改善することは可能である。しかし,災害では想定外の事態が生じうるため,不測の事態が起きうることを念頭に置きつつ,対応を準備することが大切である。
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