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特集 急性白血病と骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
【各論】
骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
Evolving therapies for myelodysplastic syndromes
原田 結花
1
,
原田 浩徳
1
Yuka HARADA
1
,
Hironori HARADA
1
1がん・感染症センター都立駒込病院臨床検査科,東京薬科大学生命科学部生命医科学科腫瘍医科学研究室
キーワード:
骨髄異形成症候群(MDS)
,
遺伝子変異
,
低リスクMDS
,
高リスクMDS
Keyword:
骨髄異形成症候群(MDS)
,
遺伝子変異
,
低リスクMDS
,
高リスクMDS
pp.1120-1126
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131120
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骨髄異形成症候群(MDS)は血球減少と急性骨髄性白血病(AML)への高い移行リスクを特徴とする不均一な疾患群である.MDSの治療はリスク分類に基づいて行われ,低リスクMDSでは血球減少の改善,輸血量減少,QOL改善などにより生存期間の延長と進展リスク減少を目指す.一方,高リスクMDSでは生存期間の延長とAML進展リスクの低減が目的となる.現在,使用できる薬剤は少数であるが,臨床試験中の薬剤が多数あり,また新たな分子病態や免疫機構に基づいた新規薬剤の開発も進行している.新薬として低リスクMDSでは赤芽球成熟促進因子luspatercept,高リスクMDSではTP53活性化薬eprenetapoptの有効性が示されており,国内での早期臨床応用が望まれる.MDS病態とその発症機序が解明され,各患者の分子病態を把握したうえで適切な分子標的治療薬を選択するMDS治療の未来がすぐそこにある.
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