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特集 急性白血病と骨髄異形成症候群に対する分子標的治療
【総論】
急性白血病と骨髄異形成症候群の分子病態概説
Molecular mechanisms of acute leukemias and myelodysplastic syndromes
大森 郁子
1
,
吉見 昭秀
1
Ikuko OMORI
1
,
Akihide YOSHIMI
1
1国立がん研究センター研究所がんRNA研究ユニット
キーワード:
遺伝子変異
,
染色体異常
,
クローン性造血
,
急性白血病
,
骨髄異形成症候群(MDS)
Keyword:
遺伝子変異
,
染色体異常
,
クローン性造血
,
急性白血病
,
骨髄異形成症候群(MDS)
pp.1087-1091
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131087
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近年の次世代シーケンサーを用いた網羅的なゲノム解析により,造血器腫瘍の病態解明の基礎となる遺伝学的情報を大量かつ迅速に得ることが可能となり,分子・細胞・個体レベル・臨床での多様な解析・研究を強力に推し進めている.造血器腫瘍では造血幹細胞や,やや分化した前駆細胞に染色体異常や遺伝子変異が蓄積されることで発症に至るが,その組み合わせには一定の傾向・秩序が存在することが明らかになった.また,同じく次世代シーケンサーの活用により,白血病や骨髄異形成症候群(MDS)の原因となる遺伝子変異をもつ幹細胞が増殖する “クローン性造血” が,予想以上に多くの健常高齢者で認められることがわかり,白血病発症のリスクとなることが明らかになってきた.本稿ではこれらの知見を交えて,本特集の各論で紹介する急性骨髄性白血病(AML),MDSおよび急性リンパ性白血病(ALL)の分子病態を概観する.
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