特集 血液疾患ブラッシュアップ
【専門医からのフォローアップ依頼を受ける場合】
骨髄異形成症候群
堤 久
1
1多摩北部医療センター血液内科
キーワード:
WHO分類とIPSS(International Prognosis Scoring System)
,
骨髄不全と骨髄抑制による血球減少
,
白血球分画の異常と芽球の出現
,
DNAメチル化阻害薬
,
輸血後鉄過剰症
Keyword:
WHO分類とIPSS(International Prognosis Scoring System)
,
骨髄不全と骨髄抑制による血球減少
,
白血球分画の異常と芽球の出現
,
DNAメチル化阻害薬
,
輸血後鉄過剰症
pp.228-231
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102779
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Case
進行性の貧血を認めて骨髄異形成症候群と診断しDNAメチル化阻害薬の投与を行った一例
患者:79歳,男性.
既往歴:70歳で高血圧を指摘される.
生活歴:放射線被曝,薬物曝露歴はなし.
主訴:初診時はなし.経過中に体動時の動悸と息切れが出現.
現病歴:2008年に高血圧で通院中の近医で血色素(Hb)10g/dl台の貧血を指摘され,2010年1月(79歳)貧血の進行があり血液内科を紹介受診.理学的異常所見は乏しく,血算は白血球数4,500/μl,Hb 9.0g/dl,ヘマトクリット26.3%,血小板数17.1×104/μl,平均赤血球容積112.9flで大球性貧血を認め,白血球分画に異常はなかった.ビタミンB12と葉酸の欠乏はなく,骨髄所見より骨髄異形成症候群MDS(RCMD),IPSS判定low risk群と診断した.
2011年3月にはHb 5.8g/dlで貧血症状が顕在化し,赤血球輸血を開始.2011年9月よりAzacitidine療法を6クール施行して輸血頻度は減少した.2012年11月現在,赤血球輸血と鉄キレート剤内服を行い外来通院中である.
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