増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
5章 疾患まとめ
急性前骨髄球性白血病(APL)とDIC
池添 隆之
1
1福島県立医科大学血液内科学講座
キーワード:
急性前骨髄球性白血病
,
APL
,
播種性血管内凝固
,
DIC
,
遺伝子組換えトロンボモジュリン
,
rTM
Keyword:
急性前骨髄球性白血病
,
APL
,
播種性血管内凝固
,
DIC
,
遺伝子組換えトロンボモジュリン
,
rTM
pp.1093-1096
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209118
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APLの疾患概念
急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia:APL)は,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の約10%を占める,まれな造血器悪性腫瘍である.転座型染色体異常t(15;17)の結果形成されるPML::RARαキメラ遺伝子が,APLの病態形成に中心的な役割を果たす.初発APL153例に対して行ったシーケンス解析によると,約70%の症例でFLT3,WT1,KRASやNRASのいずれかに遺伝子変異を認めた一方,AMLで高頻度にみられるDNMT3A,NPM1,TET2やRUNX1にはほとんど異常を認めず,APLは細胞遺伝学的にAMLとは明らかに異なる造血器腫瘍である1).
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