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第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
構造解析から創薬へ
GPCRの構造解析研究
Structural studies of GPCRs
島村 達郎
1
Tatsuro SHIMAMURA
1
1京都大学大学院医学研究科分子生体統御学講座分子細胞情報学分野
キーワード:
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)
,
構造解析
,
アミン受容体
Keyword:
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)
,
構造解析
,
アミン受容体
pp.573-579
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806573
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シグナル伝達に関与するGタンパク質共役型受容体(GPCR)は重要な創薬標的であることから,GPCRの構造解析研究は盛んに行われている.アレルギーに関わるヒスタミンH1受容体の構造解析とドッキング計算からは,高い選択性を持ち副作用の少ない抗ヒスタミン薬の開発に利用可能な知見が得られた.さらにin silicoスクリーニングにより,親和性が高くヒスタミンH1受容体の活性化を抑制する新規化合物を効率よく選別することにも成功している.統合失調症やパーキンソン病の治療薬の標的であるドパミンD2受容体の構造解析研究では,副作用の軽減に必須な高い受容体選択性を持つ薬の開発につながる受容体固有の薬剤結合部位が同定されている.統合失調症の治療薬の標的であるセロトニン2A受容体の構造解析研究でも,受容体固有の空洞が同定されており,実際に選択性の高い薬がこの部位に結合しうることがドッキング計算で示されている.
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