今月の主題 唾液の臨床検査
各論
歯髄,歯石および唾液斑からのDNA鑑定による個人識別
小室 歳信
1
Toshinobu KOMURO
1
1日本大学歯学部法医学教室
キーワード:
歯髄
,
STR
,
構造解析
Keyword:
歯髄
,
STR
,
構造解析
pp.813-818
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102020
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法医鑑識領域における個人識別に際し,DNA鑑定は非常に古い試料からでも検査が可能であるとして,指紋や歯科所見あるいは血液型など,ほかの検査法を抑えて究極の鑑定法としての地位を確立し得た感がある.鑑定結果の信頼性は高いことから,犯罪捜査や裁判などで被疑者の特定や量刑にかかわる確定的な証拠資料として重視されている.したがって,検査の迅速性に加え人権擁護の観点からも鑑定の正確性が強く求められている.そこで,鑑定試料の特徴を考慮して,陳旧化した歯髄,歯石,唾液斑を試料とし,短鎖縦列反復配列多型を中心にDNA解析を行い,人獣鑑別,性別判定,人種鑑別および個人識別にかかわるデータを紹介する.
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