Japanese
English
特集 フットケア・足病医学――歩行・生活を守るチーム医療の確立
腎臓内科医(透析医)の視点から
Foot care and podiatric medicine from the perspective of nephrologists
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
Sumi HIDAKA
1
,
Shuzo KOBAYASHI
1
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
サルコペニア
,
血管石灰化
,
レオロジー
,
protein energy wasting(PEW)
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
サルコペニア
,
血管石灰化
,
レオロジー
,
protein energy wasting(PEW)
pp.199-202
発行日 2021年7月17日
Published Date 2021/7/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27803199
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
腎機能低下それ自体が末梢動脈疾患(PAD)の危険因子であり,慢性腎臓病(CKD)患者ではPAD合併頻度が高い.CKD患者ではサルコペニアも多く合併し,予後が不良となる.また,透析患者で動脈硬化は進展しやすい.その機序として,①糖尿病や高血圧症の合併,②尿毒症性物質の蓄積やカルシウム・リン代謝異常による血管石灰化,③透析独特の危険因子として,異物との接触で生じる血小板・単球の活性化などの微細炎症,血液粘稠度の上昇,透析患者独特の血圧変化,また血管内皮前駆細胞(EPC)数の減少などさまざまな因子の存在が考えられる.動脈硬化の進行は下肢動脈だけでなく,脳心血管系でも起こり,生命予後悪化につながる.PADをできるだけ早期に診断し,禁煙,フットケア,抗血小板薬内服などの基本的治療を行うとともに,栄養や運動などにもチームで介入することが望ましい.透析患者に対しては透析時間や透析のモダリティー,透析膜の選定など,どのような透析を行っているのか,十分な溶質の除去(尿毒症性物質など)が行われているかの評価が重要である.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.