Japanese
English
特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
慢性腎不全 CKDの栄養障害
Nutritional disturbance in patients with chronic kidney disease
安田 隆
1
YASUDA Takahi
1
1秋葉原いずみクリニック
キーワード:
protein energy wasting(PEW)
,
サルコペニア
,
フレイル
,
経口栄養補助(oral nutrition supplement:ONS)
,
透析時静脈栄養(intradialytic parenteral nutrition:IDPN)
Keyword:
protein energy wasting(PEW)
,
サルコペニア
,
フレイル
,
経口栄養補助(oral nutrition supplement:ONS)
,
透析時静脈栄養(intradialytic parenteral nutrition:IDPN)
pp.603-608
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001310
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は,腎代替療法開始後はもとより,保存期から栄養障害を合併する頻度が高い。栄養障害には過栄養と低栄養とがあるが,高齢者が大多数を占めるCKDでは低栄養であることが多く,しかも単なる摂取不良ばかりでなく,さまざまな要因が複雑に絡み合って生じる,protein energy wasting(PEW)と命名されているたんぱく質・エネルギー消耗症という意味合いの栄養不良であることが多い。このような栄養障害は,CKD患者の高齢化に伴い合併頻度が増加しているが,同様の要因で生じるサルペニアやフレイルを合併することも多く,お互いに密接に関連して日常生活活動度(activities of daily life:ADL)や生活の質(quality of life:QOL)の低下,さらに心血管疾患の発症や進展,転倒・骨折,そして入院や生命予後などの重大な転機へと結びついていく。これらの発症を予防するには,保存期からの継続した栄養障害,サルコペニア,フレイル対策が必要となる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.