Japanese
English
TOPICS 脳神経外科
精神科疾患に対する脳深部刺激療法の現状
Current status of deep brain stimulation for psychiatric disorders
杉山 憲嗣
1
Kenji SUGIYAMA
1
1豊田えいせい病院 脳神経外科
pp.167-168
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27802167
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脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)は,1980年代に提出された脳内ループ回路(大脳―線条体―視床―大脳回路:CSTC回路)の回路障害の治療法として登場した.薬剤コントロールが困難となったパーキンソン病の運動症状の治療法としては,全世界で10万件以上,わが国でも8千件以上に使用され,すでに確立した治療法となったと言ってよい.運動ループに有効であったのだから,他のCSTCループ回路の障害にもDBSは有効であろうと考えたのは,至極当然の医学的推論であった.世界的に神経難病のなかでループ回路障害の探索がなされ,回路障害が推定されたものに対してDBSが試行されたが,この神経難病のなかに精神科疾患が存在した.本稿では,精神科疾患に対して施行されたDBSの主な事項につき,世界とわが国の現状を俯瞰する.
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