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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
診断と評価
非特異的腰痛の診断と難治性腰下肢痛の治療効果判定法
Diagnosis of non-specific low back pain and the therapy evaluation for intractable low back pain
鈴木 秀典
1
,
坂井 孝司
1
Hidenori SUZUKI
1
,
Takashi SAKAI
1
1山口大学大学院医学系研究科整形外科学
キーワード:
腰痛症
,
非特異的腰痛
,
腰椎椎間関節症
,
筋筋膜性腰痛
,
椎間板性腰痛
,
Numerical Rating Scale(NRS)
,
最小重要差(MCID)
Keyword:
腰痛症
,
非特異的腰痛
,
腰椎椎間関節症
,
筋筋膜性腰痛
,
椎間板性腰痛
,
Numerical Rating Scale(NRS)
,
最小重要差(MCID)
pp.62-68
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2780162
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腰下肢痛患者の治療にあたる際,その診断と治療効果判定に苦慮することは多い.本稿では,非特異的腰痛の診断に関する疫学研究のデータを示しながら,腰痛診療における診断の重要性について述べる.また,慢性腰下肢痛患者の治療満足度をアンカーとして,Numerical Rating Scale(NRS)のカットオフ値と臨床における最小重要差(MCID)を算出し,こうした患者の治療にあたる際のおおまかな治療目標について提案する.さらに,最近の2つの論文から得られた新しい知見について紹介し,実臨床に役立つ腰痛診断の実際について述べ,慢性腰下肢痛に対する新たな治療効果判定基準としてのΔPI-NRS(NRSの数値変化):2について紹介する.腰痛症全体でみてみると,整形外科専門医による診察では78%の腰痛患者の診断が可能であった.また,慢性腰下肢痛患者の治療効果判定としてのΔPI-NRSは,カットオフ値は2,MCIDは1と考えられた.
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