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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
診断と評価
腰痛における骨粗鬆症や筋減少症の関わり
Association between low back pain, osteoporosis and muscle hypoplasia
堀 悠介
1
,
高橋 真治
1
,
中村 博亮
1
Yusuke HORI
1
,
Shinji TAKAHASHI
1
,
Hiroaki NAKAMURA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学
キーワード:
腰痛
,
骨粗鬆症
,
筋減少症
,
脊柱変形
Keyword:
腰痛
,
骨粗鬆症
,
筋減少症
,
脊柱変形
pp.69-73
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2780169
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腰痛は日常生活を障害する最大の原因であり,高齢になるほどその頻度は増加するが,同時に骨粗鬆症や筋減少症も進行する.骨粗鬆症による腰痛の発生機序としては,急性期の骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)による腰痛,OVF後に生じた腰曲がりによる疲労性の腰痛,骨粗鬆症自体に伴う腰痛が考えられる.一方で,筋減少症が進行すると,体幹の支持機構の低下や腰曲がりに伴って,腰痛が発生する.これらの疾患は未治療のまま放置されることも多く,進行するとOVFや腰曲がりを伴い,難治性の腰痛の原因となる.両疾患は合併する頻度も高く,とくに高齢者においては,骨粗鬆症と筋減少症に対する適切な治療が腰痛予防につながる可能性がある.骨粗鬆症に対しては,薬物療法を中心に治療法が確立されつつあるが,筋減少症に対する効果的で持続可能な治療法の開発が今後の課題である.
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