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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
治療
整形外科でよく処方される鎮痛薬による薬剤性臓器障害の回避
-――高齢者における薬物鎮痛療法の “影” を中心に
Avoiding drug-induced organ damage caused by analgesics commonly prescribed in orthopedics
今村 寿宏
1
Toshihiro IMAMURA
1
1独立行政法人労働者健康安全機構 九州労災病院 勤労者骨・関節疾患治療研究センター
キーワード:
鎮痛薬
,
薬剤性腎障害
,
薬剤性肝障害
Keyword:
鎮痛薬
,
薬剤性腎障害
,
薬剤性肝障害
pp.119-124
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27801119
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鎮痛薬による薬物療法においては,常にリスクとベネフィットを考慮し,ベネフィットが上回るように投与を行う.とくに痛みのコントロールに難渋すると,鎮痛薬の増量のみならず種類も増えていく傾向がある.とくに高齢者の場合,生理機能が低下していることが多く,薬物療法においては副作用が出現しやすい状況にある.加齢とともに腎機能低下,高血圧症や糖尿病などに罹患し,治療薬が処方されていることも多く,鎮痛薬などを処方する際にはなるべくポリファーマシーにならないように留意し,また薬物相互作用なども考慮する必要がある.整形外科に受診する高齢患者に対して,われわれが処方することが多い鎮痛薬については知っておいたほうがよい “リスク” を再度確認しておくことで,処方後における患者の変化に気づきやすくなる.本稿では加齢に伴う変化と合わせて,サイレントに起こりうる薬剤性臓器障害についても述べる.
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