特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 3] 保存期CKD患者・透析患者への薬剤の使い方
鎮痛薬と疼痛管理
大庭 梨菜
1
1東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
キーワード:
慢性腎臓病(CKD)
,
鎮痛薬
,
疼痛管理
,
残存腎機能
Keyword:
慢性腎臓病(CKD)
,
鎮痛薬
,
疼痛管理
,
残存腎機能
pp.81-85
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_81
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▪疼痛はQOL低下やうつ病,入院や外来受診の増加とも関連し,CKD患者においても安全かつ十分な鎮痛を得ることが求められる.
▪CKD患者に鎮痛薬を使用する際には腎障害性および腎排泄性の鎮痛薬の使用を可能な限り避け,残存腎機能に応じて薬剤の種類と投与量を慎重に選択する.
▪CKD患者に対する第一選択の鎮痛薬はアセトアミノフェンであり,痛みの段階に応じて鎮痛補助薬やオピオイドを併用し,非薬物治療も考慮する.
▪保存期CKD患者,残存腎機能を有する透析患者では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与を行うべきではない.無尿の透析患者ではNSAIDsも減量せず使用可能であるが,消化性潰瘍に留意する.
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