Japanese
English
第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
治療
脊椎由来の神経障害性疼痛に対する薬物治療の最近の話題
Recent topics of drug treatment for locomotive pain
栁澤 義和
1
Yoshikazu YANAGISAWA
1
1医療法人相生会福岡みらい病院整形外科・脊椎脊髄病センター
キーワード:
神経障害性疼痛
,
薬物選択
,
ガバペンチノイド
,
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
,
呼吸抑制
Keyword:
神経障害性疼痛
,
薬物選択
,
ガバペンチノイド
,
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
,
呼吸抑制
pp.113-117
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27801113
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
『腰痛診療ガイドライン2019』において,慢性腰痛や坐骨神経痛に対する推奨治療薬としてガバペンチノイドとセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の推奨度が高いが,選択を迷うことがある.腰部脊柱管狭窄症には馬尾障害型と神経根障害型,混合型の3つに分類され,基礎研究からも神経根障害型ではCaチャネル受容体の発現が増加することでガバペンチノイドが有効である反面,馬尾障害型モデルでは受容体の発現は増加しないことから,ガバペンチノイドの効果には限界があることが考察される.つまり,馬尾障害型の神経障害性疼痛に対しては,ガバペンチノイドよりもデュロキセチン(DLX)のほうが有効である可能性がある.また,腰椎椎間板ヘルニアを含む坐骨神経痛に対するガバペンチノイド単独療法は除痛効果に限界があることから非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との併用療法が,また神経根障害型の腰部脊柱管狭窄症に対する薬物治療の併用療法に関しては,さらにNSAIDsとPGE1製剤との組み合わせが単独療法よりも有効である可能性が高い.しかし,乱用や呼吸抑制のリスクに注意する必要がある.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.