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第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
治療
脳科学研究が指し示すうつ病の認知行動療法の未来
Neuroscience points to the future of cognitive behavioural therapy for depression
大久保 亮
1
Ryo OKUBO
1
1北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室
キーワード:
認知行動療法(CBT)
,
うつ病
,
マインドフルネス
,
感情認知
,
脳機能画像
Keyword:
認知行動療法(CBT)
,
うつ病
,
マインドフルネス
,
感情認知
,
脳機能画像
pp.1190-1195
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131190
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認知行動療法(CBT)は革新の歴史であるが,1990年代からの第三世代CBTの波も一段落し,新しい革新を待っているようにも思える.うつ病診療において脳科学の分野に期待されるのが,脳科学の知見を用いたうつ病の下位分類と,その分類に基づいた治療の最適化である.本稿ではその嚆矢と思われた研究を紹介し,そこで明らかになったバイオタイプに基づいて,特に注意と感情を焦点とした心理社会的治療法を紹介する.これらの治療法では,うつ病で繰り返し報告されている神経回路の機能的結合や活動の異常が,介入前後で改善する可能性が示されている.神経回路の異常とさまざまなCBT技法の治療反応についての研究知見が蓄積されることで,第三世代を超えた第四世代CBTとして,神経回路をターゲットとするうつ病のバイオタイプに最適化された治療法開発の波がくることを期待している.

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