CAR-T細胞療法までの流れ

Steps to CAR-T cell therapy

　再発または難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病（B-ALL），および再発または難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL）に対するキメラ抗原受容体（CAR）-T細胞療法に大きな期待が集まるなか，チサゲンレクルユーセルの提供可能施設は22施設（2021年3月，本稿執筆時点）とまだ限定されている．このため，各地域で本治療を必要としている患者に対して適時かつ安全に提供するためには，地域内の医療機関の連携が不可欠となる．一方で，B-ALLおよびDLBCLの再燃時には化学療法をはじめとした再治療が急がれるケースも多く，治療の合間に施設間でCAR-T細胞療法の適応に関する相談を行い，アフェレーシスを含めた日程調整が必要となる．CAR-T細胞療法の適応に関する確認事項，アフェレーシス前後の準備，CAR-T細胞の輸注に至るまでの流れについて解説する．