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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
HIV感染症に関連しない免疫再構築症候群
Immune reconstitution inflammatory syndrome(IRIS)irrelevant to HIV infection
末木 博彦
1
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
キーワード:
免疫再構築症候群(IRIS)
,
薬剤性過敏症症候群(DIHS)
,
免疫関連有害事象(irAE)
Keyword:
免疫再構築症候群(IRIS)
,
薬剤性過敏症症候群(DIHS)
,
免疫関連有害事象(irAE)
pp.830-834
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709830
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近年,自己免疫疾患や悪性腫瘍を中心に分子標的薬,抗体製剤,免疫チェックポイント阻害薬など,免疫に大きな変動をきたす新規医薬品が導入され,それらの負の影響も注目されている.ヒト免疫不全ウイルス感染症に関連しない免疫再構築症候群(non-HIV IRIS)とは,非HIV感染者において免疫低下状態からの回復に伴い,従前から体内に潜在していた抗原や病原微生物に対する諸臓器の炎症性病態が数カ月以内に顕在化したり,すでに発症あるいは治療していた炎症性病態が明らかに増悪する臨床経過の総称である.本症候群を生じやすい原疾患として膠原病,自己免疫疾患,薬剤性過敏症症候群などの重症薬疹,進行期の悪性腫瘍,妊娠などがある.免疫抑制からの回復をきたすtriggerとしては,副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の急な中止や減量,生物学的製剤,とくに抗TNF-α抗体薬の中止や効果減弱,免疫チェックポイント阻害薬による治療,出産などがある.本症候群の診断基準案が発表されているが,バイオマーカーの開発が喫緊の課題である.
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