特集 喘嗚がある患者に出会ったら―病態をカテゴライズして診断する
[Chapter 4] 感染症と喘鳴
気管支喘息の増悪
中込 一之
1
1埼玉医科大学 呼吸器内科・アレルギーセンター
キーワード:
喘息増悪
,
ライノウイルス(RV)
,
RSウイルス(RSV)
,
好酸球
Keyword:
喘息増悪
,
ライノウイルス(RV)
,
RSウイルス(RSV)
,
好酸球
pp.1122-1127
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1122
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▪喘息増悪の誘因として,ウイルス感染(呼吸器感染症),アレルゲン曝露,喫煙などがあげられるが,最も頻度が高いのはウイルス感染である.
▪喘息患者は,ウイルスに感染しやすいことが知られ,インターフェロンなどの抗ウイルス性サイトカインの産生不全がその原因と考えられている.またIgE高値では,ライノウイルス(RV)の影響を受けやすいことが知られている.
▪RVでは,RV-AとRV-Cが病態を悪化させやすいなど,種による違いも示唆されている.
▪ウイルス感染は,好酸球性気道炎症を悪化させることが報告されており,感染時に発現が亢進するCXCL10や,RV-Cの受容体であるCDHR3は,好酸球を直接活性化させる.
© Nankodo Co., Ltd., 2023