特集 治りにくい肺炎に出会ったら
[Chapter 3] 感染症と考えていたが実は感染性肺炎ではなかった!
アレルギー性気管支肺真菌症
岡安 香
1
1横浜市立みなと赤十字病院 呼吸器内科
キーワード:
アスペルギルス
,
気管支喘息
,
粘液栓
,
好酸球
Keyword:
アスペルギルス
,
気管支喘息
,
粘液栓
,
好酸球
pp.281-284
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_281
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▪アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)は,気道内に腐生・発芽したアスペルギルスやスエヒロタケなどの菌体成分あるいは分泌物質に対するⅠ型・Ⅲ型アレルギー反応によるアレルギー性気道疾患である.
▪多くは成人気管支喘息に合併する.
▪画像所見では気管支内での好酸球性粘液栓の形成による中枢性の気管支拡張,CTにて粘液栓の濃度上昇,移動する浸潤影が特徴的である.
▪治療はステロイドや抗真菌薬の全身投与である.
▪重症度はさまざまで経過観察可能な症例もあるが,診断されず年単位で気管支拡張,肺の線維化が不可逆性に進行する症例もみられ,疑った際には積極的に診断を進めたい.
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