Japanese
English
第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
シェーグレン症候群(SS)に対する分子標的治療薬の開発
Development of molecules targeted therapy for Sjögren’s syndrome
坪井 洋人
1
,
安部 沙織
1
,
松本 功
1
Hiroto TSUBOI
1
,
Saori ABE
1
,
Isao MATSUMOTO
1
1筑波大学医学医療系膠原病リウマチアレルギー内科学
キーワード:
シェーグレン症候群(SS)
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
生物学的製剤
,
分子標的低分子化合物
Keyword:
シェーグレン症候群(SS)
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
生物学的製剤
,
分子標的低分子化合物
pp.752-
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709752
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
シェーグレン症候群(SS)は唾液腺,涙腺などの外分泌腺へのリンパ球浸潤を病理学的特徴とする自己免疫疾患で,臨床的にはドライアイ,ドライマウスなどの乾燥症状を呈する.SSの病態形成には自然免疫異常と獲得免疫異常の両方が関わり,Ⅰ型インターフェロン経路,抗原提示分子,共刺激分子,T細胞とB細胞の活性化経路,胚中心形成経路などが治療標的として期待されている.現時点ではリツキシマブ,アバタセプト含めてSSの腺病変,腺外病変に対する有効性が確立された生物学的製剤,分子標的低分子化合物は存在しないが,抗CD40モノクローナル抗体であるiscalimabは唯一RCTにおいてプラセボと比較してESSDAIを有意に改善することが示された分子標的治療薬であり,今後の開発が期待されている.現在,分子標的治療薬の有効性が期待できる早期例の診断,表現型の同定,長期間の臨床研究の実施,病期ごとの病態メカニズムの解明に基づく治療標的分子の探索が求められている.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.