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特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
IgG4関連疾患
IgG4-related disease
山本 元久
1
,
髙橋 裕樹
1
Motohisa YAMAMOTO
1
1札幌医科大学医学部,免疫・リウマチ内科学
キーワード:
IgG4-related disease
,
Sjögren syndrome
,
Malignant tumor
Keyword:
IgG4-related disease
,
Sjögren syndrome
,
Malignant tumor
pp.937-945
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000542
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要旨:IgG4関連疾患は,高IgG4血症と腫大した罹患臓器への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を特徴とした慢性炎症性疾患である。涙腺・唾液腺,膵臓を主体とし,下垂体,肺・気管支,胆管,腎臓,後腹膜腔,前立腺などの様々な臓器に不可逆的な障害を惹起しうる全身疾患である。わが国では約8,000人が罹患していると推定されている。中高年に好発するため,高齢者リウマチ性疾患において認識が必要な疾患の一つである。診断は包括診断基準に従い行われることが多いが,生検が困難な場合には臓器別診断基準が用いられる。しかし本疾患には悪性腫瘍の合併が多いことから,可能な限り,組織学的診断が行われることが望ましい。寛解導入療法としてステロイド薬が第一選択であるが,多くの症例では維持療法が必要である。しかし再燃を繰り返す症例では生物学的製剤を含めた免疫抑制剤の併用が考慮される。
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