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特集 医療従事者のための感染予防――COVID-19流行を機会に見直す自分と仲間を守る職業感染予防技術
職業性感染症の労災補償統計と針刺し切創サーベイランス
Compensated cases of occupational infectious diseases in Japan and the epidemiological status of needlestick/sharps injuries reported to Japan-EPINet by a nation-wide surveillance network
吉川 徹
1
Toru YOSHIKAWA
1
1独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センター,職業感染制御研究会副理事長
キーワード:
職業感染
,
労働災害
,
針刺し切創
,
サーベイランス
,
エピネット日本版
Keyword:
職業感染
,
労働災害
,
針刺し切創
,
サーベイランス
,
エピネット日本版
pp.471-475
発行日 2021年5月8日
Published Date 2021/5/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27706471
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医療従事者の職業感染は医療関連感染(HAI)のひとつである.労災補償統計から年間200件前後の職業性感染症が確認されている.一方,新型コロナウイルス感染症の労災支給件数は2020年3月末までに3,139件となった.HBV/HCV/HIV等の血液媒介病原体(BBPs)への曝露機会となる注射針や縫合針などの鋭利器材による針刺し切創は,100稼働病床数あたり平均6.2件/年の針刺しが発生している.日本全体では年間約28万件が発生していると推計される.職業感染制御研究会(JRGOICP)は針刺し切創サーベイランスの定型報告書式「エピネット日本版」を無償で提供し1,732施設の利用実績がある.JRGOICPは約80施設による定期的な全国サーベイランスを実施し,時代に応じた針刺し切創対策視点を提案している.BBPs曝露予防には,鋭利器材などの廃棄環境の整備,安全装置付き鋭利器材の活用,個人用防護具の活用,安心できる受傷報告システムと継続改善のしくみ作りが重要である.
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