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第1土曜特集 脳・神経系の感染症――診断と治療の最前線
脳・神経系の細菌感染症ほか
結核性髄膜炎
Tuberculous meningitis
岩田 育子
1
Ikuko IWATA
1
1北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野神経内科学
キーワード:
結核
,
髄膜炎
,
結核腫
,
診断
,
治療
Keyword:
結核
,
髄膜炎
,
結核腫
,
診断
,
治療
pp.103-111
発行日 2021年4月3日
Published Date 2021/4/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27701103
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結核性髄膜炎(TBM)は治療の遅れと不全治療が転帰不良と強く関連するmedical emergencyである.わが国では頻度は低いものの,早期発見および適切な治療開始がなされれば治療可能な疾患である一方,診断に至らない場合や治療の遅れは深刻な後遺障害や患者の死亡につながる.しかし,その症候は特異性を欠き,確定診断を行ううえで脳脊髄液の塗抹,培養,single PCRの感度は不十分であるなど,確実な診断はかならずしも容易でない.なおかつ,確定診断前でも治療に踏みきることが必要であるほか,投薬開始後に難治性の経過をたどる場合や合併症に対する対応など,診療上の各方面で判断に難渋する疾患である.本稿では,TBMを見逃すことなく診断,治療のプロセスを迅速に開始するための要点について,新しい知見を加え記載する.
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