医学のあゆみ・36
結核性髄膜炎の治療
杉 靖三郞
pp.36
発行日 1954年11月15日
Published Date 1954/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909689
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結核性脳脊髄膜炎といえは2〜3年前までは“かかつたがさいご100%死ぬ”というおそろしい病気であつた。それが,ストレプトマイシンができて,それを腰椎のところから脳脊髄膜のなか—つまり,脳脊髄液中—に,毎日0.1gくらいずつ注入してやるとよくなるということが報告された。
はじめは半信牛疑であつたが,今では,もうその効果をうたがう人はなくなり,結核性脳脊髄膜炎といえばすぐに“ストマイの髄腔内注入”ということになつた。あの女流スポーツの花形,杉村清子さんがこの病気で倒れたときは,もうダメかと危まれたがとにかくやつてみようということであつた。それが3年ほど前のこと彼女も今では,もうすつかり元気になつて,スポーツ界への復帰さえ伝えられている。
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