今月の主題 中枢神経系の感染症
髄膜炎と脳炎
結核性髄膜炎
高木 誠
1
Makoto Takagi
1
1東京都済生会中央病院・神経内科
pp.228-230
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218891
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結核性髄膜炎の発生頻度は,抗結核薬の出現と社会環境の整備により次第に減少しつつあるが,現在でも決して稀な疾患ではない.結核性髄膜炎は,早期診断のむずかしさからしばしば治療開始が遅れ,現在でも死亡率16〜36%1),後遺症20〜30%2)と予後不良の疾患であることに変わりはない.従来3歳以下の小児に多いとされていたが3),最近の報告によれば先進国では成人発症の比率が増加する傾向にあり4,5),本稿でも主に成人の結核性髄膜炎を中心に,その診断,治療のポイントを述べる.
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