発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010313585
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76歳男。右肘関節痛を主訴とした。右肘関節の腫脹、単純X線、MRI、関節穿刺液各所見より単関節型関節リウマチ(RA)を疑い、ステロイドの経口投与を行った。症状は改善せず腫瘤は増大したため初診より1年後に滑膜を前方及び外側から全切除したが、創は治癒せず瘻孔を形成した。病理所見及び創部より結核菌を検出したことより結核性肘関節炎と診断し、4剤で化学療法を行った。2ヵ月後に再度、滑膜切除術を行い、筋膜下から関節内へ続く膿瘍の切除、上腕骨関節面外側の腐骨の掻爬を行った。2回目の手術後2年の時点で腫脹、疼痛はほぼ消失し、ROMの改善を認めたが、単純X線で著明な骨破壊を認めた。血液検査にて炎症所見を認めるため、化学療法を継続中である。なお、日本における結核性肘関節炎の報告は今までに9例で、肺結核の既往があったのは3例のみである。
©Nankodo Co., Ltd., 2010