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特集 ケトン体による生体制御
ケトンによる概日リズム制御
The role of keton bodies in circadian transcriptional regulation
村上 真理
1
Mari MURAKAMI
1
1大阪大学大学院医学系研究科免疫制御学教室
キーワード:
3-ヒドロキシ酪酸
,
概日リズム
,
エピゲノム制御
Keyword:
3-ヒドロキシ酪酸
,
概日リズム
,
エピゲノム制御
pp.1104-1109
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276121104
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近年,代謝物質によるエピゲノム修飾を介した概日時計の制御機構が明らかにされつつあるが,栄養素や代謝物質がさまざまな末梢組織の概日リズムを調節するメカニズムについてはまだ多くが解明されていない.筆者らは,ケトン食が肝臓と腸管の概日リズムに組織特異的な影響を及ぼすことを明らかにした.ケトン食によって腸管の脂質代謝系遺伝子の日内リズム形成が時計遺伝子非依存的に誘導される一方,肝臓での時計タンパク質の標的プロモーターへのリクルートメントが増強し,下流の時計制御遺伝子の発現量が増加した.本研究によって,ケトン食やケトン体が組織特異的なエピゲノム制御を介して末梢組織での概日リズムを再編し,時空間に適応した生理的作用を及ぼすことが明らかになった.
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