Japanese
English
特集 概日時計が制御する多面的な生理機構
代謝と概日リズム
Energy metabolism and circadian rhythms in mammals
羽鳥 恵
1
Megumi HATORI
1
1名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所
キーワード:
時間制限摂食
,
カロリー制限
,
概日リズム
,
肥満
Keyword:
時間制限摂食
,
カロリー制限
,
概日リズム
,
肥満
pp.825-829
発行日 2025年3月8日
Published Date 2025/3/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292100825
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生物の体内に備わっている1日周期の生物時計を概日時計という.概日時計は摂食の日内リズムを制御しており,概日時計が破壊されると肥満症を発症することから,概日リズムと食事・肥満エネルギー代謝は密接に関わっていることがわかっている.本稿では主に,1日のなかでの摂食のタイミングと代謝の関連を概説する.食事の量を減らすという概念はカロリー制限(caloric restriction)とよばれる.一方,量ではなく食事可能である時間帯を1日のなかで制限することを時間制限摂食(time-restricted feeding/eating)という.時間制限摂食は肥満やメタボリックシンドロームの防止だけではなく,寿命の延伸にも効果があることがモデル生物を用いた研究により明らかになってきている.ヒトでも時間制限摂食は抗肥満に影響を与える.今後,時間制限摂食がさまざまな生理現象に与える影響がさらに発見されることが期待される.

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