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特集 炎症性腸疾患――診療と研究の最新情報
炎症性腸疾患におけるバイオマーカーによる疾患活動性評価とTreat-To-Targetにおける役割
The role of biomarkers for monitoring disease activity in inflammatory bowel disease in the era of Treat-To-Target strategy
飯島 英樹
1
Hideki IIJIMA
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
バイオマーカー
,
粘膜治癒
,
Treat-to-Target(T2T)
,
Leucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG)
Keyword:
バイオマーカー
,
粘膜治癒
,
Treat-to-Target(T2T)
,
Leucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG)
pp.1052-1055
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111052
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従来の炎症性腸疾患(IBD)に対する治療は,症状の緩和をめざすものであったが,生物学的製剤など有効な薬剤の登場により,その治療目標が短期的効果のみならず寛解状態の長期的維持に変化している.近年,長期的寛解に至る条件として,症状寛解に加えて内視鏡的粘膜治癒が理想的な治療目標として掲げられ,治療目標が達成されていなければ,目標の達成に向けて積極的に治療を強化するTreat-to-Target(T2T)strategyが提唱されている.IBDの治療目標の評価方法としては下部消化管内視鏡検査がゴールドスタンダードといえるが,侵襲性,コスト,患者の忍容性などの問題で幅広く頻回に下部消化管内視鏡検査を行うことが困難である.そのため,血清CRPや便中カルプロテクチンなどがIBDのモニタリングのための補助的なバイオマーカーとして使用されている.また,IBDの活動性を反映する新たなバイオマーカーとしてleucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG)が2020年6月に保険収載され,今後の活用が期待される.
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