Japanese
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特集 炎症性腸疾患――診療と研究の最新情報
スペシャルシチュエーション(高齢IBD患者,妊娠)における課題
Future issues regarding treatment of IBD patients in special situations such as elderly patients or pregnant patients
穗苅 量太
1
,
東山 正明
1
Ryota HOKARI
1
,
Masaaki HIGASHIYAMA
1
1防衛医科大学校消化器内科
キーワード:
高齢者
,
妊娠前教育
,
日和見感染
,
胎児毒性
,
悪性腫瘍
,
胎児毒性
Keyword:
高齢者
,
妊娠前教育
,
日和見感染
,
胎児毒性
,
悪性腫瘍
,
胎児毒性
pp.1056-1059
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111056
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高齢化社会が急激に進むなか,高齢発症潰瘍性大腸炎(UC)が増加し,その疾患活動性は非高齢者よりも高い.担癌患者,日和見感染,不顕性感染再燃,併存症など免疫調節薬を受けにくい諸問題があり,その治療法は非高齢者と区別する必要がある.妊婦炎症性腸疾患(IBD)は受胎時の疾患活動性や薬剤曝露が重要なため,妊娠前教育が重要である.妊娠転帰にIBDの疾患活動性が関与し,薬剤中止は転帰悪化の恐れがある.寛解期であれば妊娠転帰は健常人と変わらない.受胎時に寛解で迎えれば,全妊娠期間中IBDは安定傾向である.動物実験の結果から長年禁忌だった免疫調節薬が,疫学研究の結果から有益性投与に変更された.薬剤の中止か継続の判断は,患者の疾患活動性や薬剤代謝酵素変異の有無などを加味し,個々に慎重にされねばならない.
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