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特集 炎症性腸疾患――診療と研究の最新情報
炎症性腸疾患における画像検査の疾患活動性評価とTreat-To-Targetの意義
The assessment of disease severity by imaging and the significance of Treat-to-Target
長沼 誠
1
Makoto NAGANUMA
1
1関西医科大学消化器肝臓内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
大腸内視鏡検査
,
Treat-To-Target(T2T)
Keyword:
炎症性腸疾患
,
大腸内視鏡検査
,
Treat-To-Target(T2T)
pp.1047-1051
発行日 2021年3月13日
Published Date 2021/3/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276111047
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潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の治療目標は臨床症状を改善させることが最低の目標であるが,近年,生物学的製剤の登場により臨床的寛解だけでなく内視鏡的寛解可能な症例が増えてきている.炎症を評価する方法としては大腸内視鏡検査以外にカプセル小腸内視鏡,バルーン小腸内視鏡,CT,MRIなどがあり,とくにMRエンテログラフィは海外を中心として小腸病変の評価として使用されている.また,内視鏡的寛解例は中長期予後を改善させることより,内視鏡的寛解を治療目標として治療介入すること,いわゆるTreat-to-Target(T2T)の概念が提唱されている.実際,近年の研究では,治療目標を決めて治療法の介入・増量・投与間隔の短縮を行ったほうが臨床的・内視鏡的寛解率が高いことが示されている.T2Tは炎症性腸疾患患者の生活の質を向上させる一方で,医療経済的な観点より実臨床で取り入れるかについては今後検討の余地がある.
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