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特集 免疫チェックポイント阻害薬のirAE(免疫関連有害事象)
【注意すべきirAE】
内分泌障害:1型糖尿病
-――新たなoncological emergencyとして
Endocrinopathy
――Type 1 diabetes mellitus as a novel oncological emergency
大橋 健
1
Ken OHASHI
1
1国立がん研究センター中央病院総合内科(糖尿病腫瘍科),同東病院糖尿病腫瘍外来
キーワード:
免疫関連有害事象(irAE)
,
劇症1型糖尿病
,
グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体
,
インスリン
,
ケトアシドーシス
Keyword:
免疫関連有害事象(irAE)
,
劇症1型糖尿病
,
グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体
,
インスリン
,
ケトアシドーシス
pp.786-789
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608786
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免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)のひとつとして,劇症1型を含む1型糖尿病の発症が知られている.劇症1型糖尿病を発症した場合,数日の経過で内因性インスリン分泌が完全に枯渇し,重篤なケトアシドーシスに陥る.ただちにインスリン治療を開始しないと生命に関わる緊急事態である.ほとんどは抗PD-1抗体に関連したもので,発症頻度は0.2~2%程度と推定される.投与開始から発症までの期間は1週間から1年以上までとさまざまである.ケトアシドーシスに至って発見されることが多いが,定期受診時に比較的軽度の血糖上昇の段階で診断され,速やかなインスリン治療開始によりケトアシドーシスの発症を回避できる症例もみられる.投与開始前および投与開始後は受診のたびにかならず血糖値を測定する.異常値や高血糖症状を認める場合は,迅速に糖尿病専門医と連携できる体制を構築しておくことが不可欠である.
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