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第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
病態研究
劇症1型糖尿病研究UPDATE
-――irAEも含めて
Fulminant type 1 diabetes research:UPDATE
米田 祥
1
,
今川 彰久
2
Sho YONEDA
1
,
Akihisa IMAGAWA
2
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
2大阪医科薬科大学内科学Ⅰ
キーワード:
劇症1型糖尿病
,
膵β細胞傷害
,
免疫チェックポイント阻害薬関連1型糖尿病(ICI-DM)
Keyword:
劇症1型糖尿病
,
膵β細胞傷害
,
免疫チェックポイント阻害薬関連1型糖尿病(ICI-DM)
pp.684-694
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106684
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劇症1型糖尿病は,インスリンを分泌する生体内で唯一の細胞である膵β細胞の,非常に急速でほぼ完全な破壊の結果生じる.糖尿病発症時にはすでに膵β細胞はほぼ消失しており,マクロファージや細胞傷害性Tリンパ球の浸潤がみられるという病理学的特徴がある.薬剤性過敏症症候群に劇症1型糖尿病を合併した1症例では,膵島・膵外分泌に多くのヒトサイトメガロウイルス陽性細胞が認められ,エンテロウイルス以外のウイルス感染が直接証明されたはじめての症例である.最近では,免疫チェックポイント阻害薬関連1型糖尿病の報告が散見され,約半数は劇症1型糖尿病の診断基準を満たすほど急速な経過をたどる.免疫チェックポイント阻害薬関連1型糖尿病患者膵ではβ細胞の著明な減少,β細胞近傍・膵島内周囲および膵外分泌領域におけるTリンパ球の浸潤,β細胞および膵島でPD-L1発現低下が認められ,β細胞傷害との関連が示唆されている.
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