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特集 がんオルガノイド――創薬・個別化医療の革新的プレクリニカルモデルとして
がん細胞とがん関連線維芽細胞(CAF)を用いた混合乳がんオルガノイド
Mixed breast cancer organoids using cancer cells and cancer-associated fibroblasts(CAF)
竹内 康人
1
,
後藤 典子
1
Yasuto TAKEUCHI
1
,
Noriko GOTOH
1
1金沢大学がん進展制御研究所分子病態研究分野
キーワード:
乳がん
,
がん微小環境
,
がん関連線維芽細胞(CAF)
,
サイトカイン
Keyword:
乳がん
,
がん微小環境
,
がん関連線維芽細胞(CAF)
,
サイトカイン
pp.641-645
発行日 2023年8月19日
Published Date 2023/8/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28607641
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がんオルガノイドを用いて得られた知見を臨床へ応用するためには,がん微小環境の構築が必要である.筆者らはこれまでに,乳がんの発症において,サイトカインリッチな乳がん微小環境の形成が重要な役割を担っていることを明らかにした.また,サイトカインリッチな微小環境の役割のひとつとして,線維芽細胞/がん関連線維芽細胞(CAF)の遊走を誘導することがあげられた.本稿では,乳がん微小環境を組み込んだ乳がんオルガノイド培養系の取り組みを紹介する.乳がん細胞単独のオルガノイドと比較して,乳がん細胞とCAFを混合したオルガノイドは,特異的なオルガノイド形態を示し,周囲マトリゲルへの浸潤が観察された.このことから,混合乳がんオルガノイドは,乳がんの超初期段階を反映することのできる有用なツールになることが期待される.
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