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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
癌研究の観点から
肺癌オルガノイド研究の現状とこれからの展望
Lung cancer organoid research
――Current status and future perspective
小川 裕行
1
,
青井 貴之
1
,
真庭 謙昌
1
Hiroyuki OGAWA
1
,
Takashi AOI
1
,
Yoshimasa MANIWA
1
1神戸大学大学院医学研究科呼吸器外科学分野
キーワード:
肺癌オルガノイド
,
抗癌剤感受性予測
,
肺癌幹細胞
,
癌周囲微小環境
Keyword:
肺癌オルガノイド
,
抗癌剤感受性予測
,
肺癌幹細胞
,
癌周囲微小環境
pp.622-626
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606622
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2018年ごろより,長期培養可能な患者由来肺癌オルガノイドの培養プロトコールが順次報告され,臨床研究,基礎研究の両面において期待が高まっている.本稿では,これまでの患者由来肺癌オルガノイド培養に関する報告をレビューし,肺癌オルガノイド培養の現状と今後の展望・課題について記載した.また筆者らの研究室ではこれまでに,肺腺癌の細胞株にレトロウイルスを用いて特定の遺伝子を導入することにより,肺癌幹細胞様細胞(人工肺癌幹細胞様細胞)を誘導することに成功している.誘導された細胞を,間葉系幹細胞(MSC)とヒト臍帯静脈内皮細胞と混合培養することにより,肺癌組織に類似した癌組織を培養皿上で構築できることを見出し,細胞から作成した肺癌オルガノイドモデルとして報告している.この肺癌オルガノイドモデルは,癌幹細胞による癌組織構築のメカニズムの解明に役立つものと考えている.この人工肺癌幹細胞・オルガノイド研究の概要についても本稿で紹介する.
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