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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
2型糖尿病におけるグルカゴン分泌異常
Disorder of glucagon secretion in type 2 diabetes
北村 忠弘
1
Tadahiro KITAMURA
1
1群馬大学生体調節研究所・代謝シグナル解析分野
キーワード:
グルカゴン
,
α細胞
,
2型糖尿病(T2DM)
Keyword:
グルカゴン
,
α細胞
,
2型糖尿病(T2DM)
pp.387-393
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605387
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最近のグルカゴン抑制作用を併せ持つ糖尿病薬の登場により,グルカゴンが再注目されている.2型糖尿病患者(T2DM)と健常人(CONT)の血中グルカゴン濃度を,最近開発された新しい測定法であるサンドイッチELISAで比較検討した結果,以下の3点で有意差を認めた.①2型糖尿病患者は健常人より空腹時グルカゴン値が高い.②2型糖尿病患者は糖負荷後30分のグルカゴン値が低下しない.③2型糖尿病患者は食事負荷後30分のグルカゴン値が顕著に上昇する.さらに,食後30分のグルカゴン値の変化は耐糖能とは相関するが,インスリン値やインクレチン値とは相関しない.サンドイッチELISAによるグルカゴン測定が,糖尿病の病態を診断するための独立した指標として応用できる可能性がある.
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