特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 4] 血糖値だけではない糖尿病患者の将来を見据えた診療
グルカゴンからみた糖尿病診療
-診断から治療まで
北村 忠弘
1
1群馬大学 生体調節研究所・代謝シグナル解析分野
キーワード:
グルカゴン
,
糖尿病
,
サンドイッチELISA
Keyword:
グルカゴン
,
糖尿病
,
サンドイッチELISA
pp.1165-1171
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1165
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▪グルカゴンは糖産生,脂肪分解,エネルギー消費,心筋収縮の亢進や,食欲,消化管運動,脂肪合成の抑制などの多彩な作用を有する.
▪糖尿病患者のなかには,現在臨床検査で用いられているMercodiaサンドイッチELISAでは血中グルカゴン濃度を正確に測定できない患者が含まれる.
▪筆者らが最近開発した新規サンドイッチenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)は,グリセンチンなどのグルカゴン関連ペプチドとの交差反応性がほとんどなく,ほとんどの患者の血中グルカゴン濃度を正確に測定できる.
▪新規サンドイッチELISAの臨床検査への応用と,その測定結果を用いた糖尿病の病態診断,それをもとにした治療方針決定を行うことで,糖尿病の個別化医療に貢献することが期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2024