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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
GIPによる脂肪量の制御
Regulation of fat mass by GIP
山根 俊介
1
,
稲垣 暢也
1
Shunsuke YAMANE
1
,
Nobuya INAGAKI
1
1京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学
キーワード:
GIP
,
脂肪
,
肥満
,
インスリン抵抗性
Keyword:
GIP
,
脂肪
,
肥満
,
インスリン抵抗性
pp.383-386
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605383
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GIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)は,十二指腸や上部小腸を中心に存在するK細胞から食事摂取に伴って血中に分泌され,血流を介して到達した各臓器のGIP受容体に結合する.GIP受容体は,GIPが結合すると促進型Gタンパク(Gsタンパク)を介してアデニルシクラーゼを活性化し,細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度を増加させることにより,受容体が分布する細胞においてさまざまな作用を発揮する.とくに膵β細胞上のGIP受容体を介してインスリン分泌を促進する作用を有することから,glucagon-like peptide-1(GLP-1)とともにインクレチンとして広く知られている.膵β細胞以外にも多くの臓器におけるGIP受容体の発現が報告されており,GIP受容体欠損マウスの解析などからさまざまな膵外作用も明らかになっている1,2).本稿では,とくに脂肪摂取に伴うGIP分泌機構およびGIPの脂肪細胞における作用と生理的意義,GIPシグナル制御による肥満治療の可能性について概説する.
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