Japanese
English
特集 IgG4関連疾患――解明されてきた新たな病態
IgG4関連疾患と免疫異常
-――とくに自然免疫系について
IgG4-related disease and innate immunity
渡邉 智裕
1
,
工藤 正俊
1
Tomohiro WATANABE
1
,
Masatoshi KUDO
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
自己免疫性膵炎
,
自然免疫
,
腸内細菌叢
,
形質細胞様樹状細胞(pDCs)
Keyword:
IgG4関連疾患
,
自己免疫性膵炎
,
自然免疫
,
腸内細菌叢
,
形質細胞様樹状細胞(pDCs)
pp.152-155
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602152
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IgG4関連疾患はIgG4陽性形質細胞の罹患臓器への浸潤,血清IgG4値の上昇,多臓器病変を特色とする新規疾患概念である.IgG4関連疾患は “IgG4産生反応の亢進” を最大の免疫学的特徴としている.このため,これまでの病態研究は獲得免疫反応に重点をおいて解析を進められ,自然免疫反応については十分に解析されていなかった.最近,筆者らは形質細胞様樹状細胞(pDCs)の活性化とpDCsの産生するIFN-α・IL-33がIgG4関連疾患の病態に深く関与することを見出した.さらに,pDCsの活性化には腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が関わることが明らかになった.“dysbiosisによって誘導されるpDCsの活性化とその産生するサイトカイン(IFN-α・IL-33)” がIgG4関連疾患の新規治療標的として期待される.
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