特集 自己免疫性膵炎(AIP)
1 .自己免疫性膵炎の疾患概念―IgG4関連疾患としてのAIPの位置づけ,1型と2型の相違
川 茂幸
1
1松本歯科大学内科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連疾患
,
IgG4
,
1型自己免疫性膵炎
,
2型自己免疫性膵炎
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連疾患
,
IgG4
,
1型自己免疫性膵炎
,
2型自己免疫性膵炎
pp.149-156
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000223
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自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis;AIP)は自己免疫機序が関与する特異な膵炎で,血清IgG4 値が高率,特異的に上昇し,IgG4 陽性形質細胞の浸潤を病変組織に認める.全身性に膵外病変を合併し,これら膵外病変もIgG4 と密接に関連する.AIP とこれら膵外病変を包括する全身性疾患,IgG4 関連疾患の疾患概念が確立し,現在AIP はIgG4 関連疾患の膵病変と位置づけられている.IgG4 が関連するAIP の病理組織像はlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)である.一方,膵病変組織に好中球浸潤を特徴とするidiopathic duct‒centricchronic pancreatitis (IDCP)/AIP with granulocyteepithelial lesion (GEL)が欧米諸国より報告され,LPSP は1 型AIP,IDCP/AIP withGEL は2 型AIP と呼称されるようになった.2型AIP は1 型AIP と比較して,より若年に発症し,男女差はなく,腹痛ならびに急性膵炎症状を呈することが多く,閉塞性黄疸は少なく,IgG4 上昇を認めず,炎症性腸疾患の合併を認める,という特徴を有する.
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