特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学
【Ⅰ章:個別の病態で切る!】エキスパートが織りなす怒涛の縦糸—個別から“理屈”をつかむ
❸IgG4関連疾患—炎症よりも線維化・腫瘤形成のゲシュタルト
佐田 竜一
1
1天理よろづ相談所病院 総合診療教育部/感染症管理センター
キーワード:
IgG4関連疾患
,
自己免疫性膵炎
,
Mikulicz病
,
Sjögren症候群
,
悪性リンパ腫
,
Castleman病
Keyword:
IgG4関連疾患
,
自己免疫性膵炎
,
Mikulicz病
,
Sjögren症候群
,
悪性リンパ腫
,
Castleman病
pp.36-41
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203546
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
患者:65歳、男性
主訴:目の上と顎の下が腫れてきた。唾液が出づらい。
現病歴:半年前から、食事の際の顎下部痛を自覚していた。歯科受診したが異常はないと言われ、経過観察していた。昨日、鏡を見て両顎の下と左上眼瞼が腫れていることに気づき(図1)、インターネットで調べ「IgG4関連疾患」という病名が出たので心配になり受診した。
抗核抗体陰性、血清IgG 3,320mg/dL、血清IgG4 423mg/dLであり、顎下腺生検で線維化を伴う形質細胞浸潤を認め、免疫染色でIgG4/IgG比 65%であったことから、実際にIgG4関連疾患と診断した。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.