Japanese
English
特集 冬の皮膚病
臨床例
著明なるいそう患者に,繰り返し生じた下肢温熱性紅斑
A case of repeated erythema ab igne on legs accompanied with remarkable emaciate
北原 博一
1
,
久保 亮治
1
,
天谷 雅行
1
,
梅垣 知子
1
Hirokazu Kitahara
1
,
Akiharu Kubo
1
,
Masayuki Amagai
1
,
Noriko Umegaki
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
温熱性紅斑
,
るいそう
,
脂肪細胞
,
走査型電子顕微鏡
Keyword:
温熱性紅斑
,
るいそう
,
脂肪細胞
,
走査型電子顕微鏡
pp.1094-1097
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002221
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
・著明なるいそうを示す患者の下肢に,冬期に繰り返し温熱性紅斑を生じ,潰瘍と血疱の形成を伴った1例を経験した.
・るいそうによる著しい脂肪萎縮があるために,熱に対する防御能が低下したところに,長時間熱刺激に繰り返し曝露されたため潰瘍を伴う強い皮膚障害が生じたと考えられた.
・るいそうの原因として,後天性全身性脂肪萎縮症も鑑別に,走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)を用いて,患者の健常皮膚の脂肪細胞の形態を評価した.均一な脂肪細胞径の縮小と周囲の線維化は認めたが,後天性全身性脂肪萎縮症に特徴的な著明な脂肪細胞の変性はなく,レプチン値も正常であったことから,否定的と考えた.
(「症例のポイント」より)
Copyright © 2020, KYOWA KIKAKU Ltd. All rights reserved.