Japanese
English
今月の症例
著明なるいそうに伴って多発したvascular spiderの1例
A case of multiple vascular spider with severe body weight loss
沖田 博
1
,
大塚 勤
1
,
山蔭 明生
1
,
山崎 雙次
1
Hiroshi OKITA
1
,
Tsutomu OHTSUKA
1
,
Akio YAMAKAGE
1
,
Soji YAMAZAKI
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
るいそう
,
神経性食欲不振症
,
エストロゲン
,
vascular spider
Keyword:
るいそう
,
神経性食欲不振症
,
エストロゲン
,
vascular spider
pp.671-673
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903658
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
37歳,女性.約5年前から著明な体重減少を認め,神経性食欲不振症と考えられた.その頃より顔面・四肢・手掌・胸部にvascular spiderが多発してきた.検査上,貧血,血小板数低下,軽度肝機能障害,尿酸値高値,アミラーゼ高値,低蛋白血症を認めた.成長ホルモン(GH)高値,freeT3(FT3)低値であったが,血中プロゲステロン,エストラジオールは正常であった.組織学的所見では,真皮浅層に血管の増生・拡張を認め,その血管は1〜2層の内皮細胞によって構成された壁を持っていた.切除後,再発を認めていない.自験例は,神経性食欲不振症の著明なるいそうに伴って出現したvascular spiderの1例であるが,エストロゲン以外の血管増生因子がその発症にかかわっている可能性が考えられた.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.